建仁寺一覧

京都五山物語~建仁寺・禅宗の京都進出~

13世紀の仏教勢力間の争いを京都五山の一つ「建仁寺」の歴史から紹介します。創建は1202年、宗派は禅を基本とする臨済宗です。一休さんのイメージから禅は今でこそ日本の伝統文化の一つと思われがちですが、実は中国から伝来された文化であり禅を日本に広めた人物は栄西です。栄西が事実上最初に開いた禅寺は博多の聖福寺ですが、驚くべきは建立が1195年ということです。最初の寺院設立から京都で建仁寺を建立するまで七年しかかかっていません。それは栄西が抜群の政治センスを持った人物だったからです。栄西は当時の仏教界で勢力を誇っていた天台宗、真言宗、奈良仏教の諸派の勢力と対立することを避け、また朝廷や鎌倉幕府の政治状況を利用することでうまく立ち回ったのです